日記

ニュー·センチメンタリティの記録

2024/01/08

川上未映子「夏物語」と國分功一郎「中動態の世界」を読み終えたので2023年の積み残しがなくなった。こっから2024年の読書です。kindle積読を崩していく。

 

 

・前者は善百合子に掌握された。「産まれる」ということについて一度考えると一生忘れられないだろうし、諦観のこもった彼女の笑みの通り、考えたことのない人とは大きな断絶が生じる。

 

・後者は「自由と強制」に着地してなんとか綱渡り的に読み終えた。

(……)自分はどのような場合にどのように変状するのか? その認識こそ、われわれが自由に近づく第一歩に他ならない。(……)自らの有する必然的な法則を踏みにじられているときに強制の状態に陥る。だから自由や強制は変状の質の差として考えられねばならないのである。(……)

途中の議論は想像以上に難しく、しかし通読したからこそ「ビリーバッド論」に対して腑に落ちる部分がある。「お前はなんとなく周りの流れに乗せられて言わされてるんじゃねえか」という自覚は重要性を増し続けている。おすすめに大量に流れてくる「地震」、「成人式」、「厳密には」、「フェルトひろゆき」、「理系」、「フリーレン」。中動態で世界を捉えて暮らすと、濁流に立つ一本の木ぐらいにはなれるのかもしれない。伊坂幸太郎「魔王」で「クラレッタのスカートを直す人になりたい」と安藤が言っていた。昔の本を読みなおしたい気持ちもある。青空文庫も全然読めていない。本好きな人、どうしてますか?

 

 

・ライブが終わるたびに感想を認めて送ることを去年までやってきたが、これも「ファンムーブ」に乗せられてやっているだけなんじゃないか。自分は書きたくて書いてるのか?「記憶力の良さによる詳細な褒め」はないし「独自の視点による新鮮な感想」とも言えない感想を書く意味が迷子になってしまった。