日記

ニュー·センチメンタリティの記録

2023/08/31 #修正なし

空気階段単独公演「無修正」が終わった。旭、大阪、東京(配信)を観たが、内容がやや変化→超変化というグラデーションで変わっていった。潮騒ではウォシュレットに薬を入れて暗躍する説明が増え衣装が浴衣になっていく。幕間Vではキーボード型の弁当を食べるのがせおさんからもぐらさんになり、袋とじは若かりし頃のもぐらさんの部屋からヘアスタイルになる。恵方巻きでは窓から入ってくるようになり願いを言うのを待つようになり冷蔵庫にエアマックスが入っていることになる。オフ会はタイトルが変わり歌いながらアカウントを消すのではなくおどるポンポコリンの歌詞を間違えて終わる。toothは上の歯である理由を説明しjuiceではなくbad toothで終わる。しんかいでは魚の名前を袋とじではなくジアルフィッシュにする。

 

個人的に今回の公演は恵方巻きからギアがかかるように思った。火事でも無言を貫く恵方巻き食べのシュールさ、引っ張られていくもぐらさんも面白い。toothの照明演出のすごさ(エレベーターの明かり、階層による明かりの違い)も印象的だった。そして、何より最後の「無修正」。これは競馬場で出会った奇跡を願う二人のコントだ。タイトルを冠したコントには(annaもfartも)、最後は「何かをまっすぐに信じる人」が出てくる。それを愛でも恋でも好きに呼べばよい。そしてそれは、形を変えながら実を結んで終幕を迎える。そうやって終わるのが、僕はとても好きである。「信じて続ける」ということを肯定される、がんばったら報われるかもしれない。劇場を出る瞬間だけでもそう思わされるから。すぐに打ちのめされるのだが、時々希望に満ち溢れることができると嬉しいので、また観に行きたい。

 

・一方、修正されているという印象を受けたのがバチェラーシーズン5であった。一人の長身髭面色黒男と結婚する女性ドキュメンタリー。これほどまでに一人の人間との結婚にこだわるということ、逆にだんだん一人に絞っていくこと。これらはずっと面白いけど面白がらなくても生きていけると感じた。
そして、構造的な問題として「君と話を合わせるために見たんだよ」と言うのは恥ずかしいので、一生「バチェラー見たよ」とは言えないのである。墓場まで持っていくことになってしまった。

 

・「ひろちゃん」が言っていたように

恋してる人間なんて全員キモい

キモく見えなかったら、修正を疑うことにしよう。