日記

ニュー·センチメンタリティの記録

2022/08/13 #叶エネルギー保存則 叶え屋ソルシレーヴ再演についての随想

・台風ずぶ濡れ靴下替えユニクロまた濡れソルシレーヴ再演大戸屋再演イートイン再演。

・メイホリックというところの総司令部みたいな名前のソルシレーヴの再演を見てきました。3公演。

・何でも叶えてくれる叶え屋という怪しいお店を軸に、離れ離れになるから一生覚えててもらえるような心の傷を負わせる人、死んだ友達と別れる人、親の仇を討った気になる人が現れました。

・会場の近さで1公演目は緊張が凄まじかったので、2公演目からが本番。

どういう形で願いを叶えるかわかった上で見ると、表情、セリフの端々に納得感があり、脚本と演技の精密さに驚いた。

叶え屋のクロエさんは基本的に全能でなんでも叶えられるので、ズルかった。というか、エネルギー保存則を無視してる?

いや、依頼者の「叶えたい」熱のエネルギーがあり、それのおかげで、「叶え」に成功する。ので、エネ保はあるといえる。クロエさんはエネルギーを移動してるだけ、なのでメリーバッドエンドだろうと関係ない。

でもさ、依頼者にとっての「叶え」は一過性のものじゃなくて永続性があるものだから、もっと責任を取ってほしいと思ってしまうのは、お人好し過ぎるのかな。

叶えた責任を負って、一緒に苦労してもらわないと、それこそエネ保に合わない。叶えるってことは依頼者の人生を甚だしく、不可逆的に変えるってことなんだから、叶え屋側も甚だしく変化しないとダメだろ。作用・反作用の法則でもあるし、エントロピー増大しないとダメだろ。

とにかく、物理学的にズルだから

「叶え屋を終わらせてほしい」

という願いを叶え屋に持っていってパラドックスに陥って、対消滅してもらおうかな。

・アフタートークショー面白かったです。2メートルの宮原さんの口座に毎月お金が入って埼玉のマンションを買う話。愛されに対しあしらう淡白から熱愛に切り替えたり聡明・誠実に切り替えたりする演技プランの話。今日しか見てないからわからないですが、人間同士で行われて変化していくのって想像を絶する創造だ。命が燃えているといってもいい程である。

・ララ個人の変わり様も怖かった。結婚嫌や〜って駄々をこねてた少女が怪我してその怪我を肯定されて結婚ありだなとなっていく女性へ変わる、その声、表情、振る舞い。そして、「叶え」後にアシュリーの横に立つ、その、全然幸せじゃなさそうな姿。「叶え」によって何もかも変わってしまったことがありありと突きつけられた瞬間だった。

演技の宮原さん、強えわ。もうダメだ、強い。

・とにかく、この世界には叶え屋がなくてよかった。無責任に叶えられてる人たちがいなくてよかった。エネ保が働いていてよかった。お前はお前の責任で願いを叶えて、俺は俺の責任で願いを叶えていけばいいんだ。楽な世界だ。

……えっ、本当に無いですよね?叶え屋。俺が知らないだけか?実はある?

でも、「何でも願いを叶えてくれる」は詐欺なんで皆さん気をつけてくださいね。